2021年度ノミネート団体

東海・北陸

570小菅沼・ヤギの杜

小菅沼・ヤギの杜

富山県魚津市

荒れた棚田をヤギ放牧で復元、
稲作アートでにぎわい

過疎化が進む富山県東部の中山間地・魚津市小菅沼で、耕作放棄地の再生と地域活性化に取り組む。2008年、鳥獣害対策としてヤギを放牧したのをきっかけに、荒れた棚田を復元し、作物の作付け・収穫体験や食品加工、稲で田んぼに絵を描く「稲作アート」など多彩な活動を展開。学校や漁協など地元団体と連携し、都会地からのグリーンツーリズムなども受け入れることで、土地の魅力の再発見と交流人口の拡大につなげている。

571木塲潟再生プロジェクト

木場潟再生プロジェクト

石川県小松市

絶滅した水草復活で水質改善、
五輪合宿チームも評価

木場潟の水草は1980年の調査で「絶滅」と判断された。水草が生い茂る潟を取り戻そうと、83年に有志10人で再生プロジェクトの前身となる「木場潟水草を守る会」を設立。絶滅したのと同じ種類の水草を潟周辺で採取、育成し、移植した。今では国や県の絶滅危惧種を含む25種が1ヘクタールに広がる。水質が改善した木場潟のカヌー競技場は東京五輪、パラリンピックの事前合宿地として各国代表チームから高い評価を受けた。
572アノミアーナ「ギザギザ湾・美化美化計画」

アノミアーナ「ギザギザ湾・美化美化計画」

福井県嶺南地方

若狭湾の漂着プラごみ、
おしゃれなアクセサリーに

漂着したプラスチックなどの海ごみをアクセサリーや食器、メガネフレームなどに「アップサイクル」し流通させようと取り組んでいる。「お金がかかる海ごみ」を「お金になる原料」に変えれば、海はきれいになっていくはず―。地形的にも大量の海ごみが集まる若狭湾を〝一大産地〟ととらえ、「ごみ」を「原料」とすることで新たな価値を生み出し、環境重視の経済活動や住民らのごみ回収活動の継続性につなげたいとしている。
573石徹白洋品店

石徹白洋品店

株式会社
岐阜県郡上市

伝統の野良着を現代風に、
オンラインで全国発信

石徹白洋品店は岐阜県郡上市石徹白を拠点とする小さな洋服店。地域に伝わる野良着の作り方をお年寄りから学び、現代風にアレンジし、発信している。同社は地域の歴史、自然環境に配慮した服作りを通して仕事、雇用、住民や全国各地とのネットワークを創出。岐阜県でも辺境といっていい石徹白に人を呼び込む。人口減、働き方や生き方。持続可能な地域づくりが直面する多くの課題に対し、石徹白洋品店は一つの答えを示している。

丸子まちづくり協議会

認定NPO法人
静岡市

宿場町で各組織参加、
お年寄り外出支援や防災

旧東海道の宿場町であり地域活動も盛んな静岡市丸子地区で、小学校区に存在する各種組織や企業が全参加し、住民主体で地域課題に取り組むまちづくり協議会として10年目を迎えた。小学校のPTA役員から上がった人材活用を求める声を機に、持続可能な地域運営を模索し、縦割組織を横串でつなぎ動かす組織を法人化した。2012年に始めた高齢者の外出支援など、だれひとり取り残さない独自のまちづくりに取り組んでいる。

デンソー

株式会社
愛知県刈谷市

AIロボが収穫、
自動車産業の技術活用で
次世代農業

自動車部品で国内最大手企業の愛知県刈谷市のデンソーが自動車分野で培った技術を駆使し、国内トップクラスの施設栽培技術を持つ三重県津市の浅井農園と協力しながら自社製AIロボットを開発。大規模な農業用ハウスを三重県いなべ市に開設し、野菜の自動収穫の研究を進めている。収穫物を自動で運搬して従事者の負担を軽減。次世代施設園芸の新モデルを構築することで、利益が出て、働きやすい新たな農業の形を模索している。
576グリーンクリエイティブいなべ

グリーンクリエイティブいなべ

一般社団法人
三重県いなべ市

自然や地域資源活用
「オシャレ、カワイイ」SDGs

2019年5月、市役所内のグリーンインフラ商業施設「にぎわいの森」がオープンした。グリーンクリエイティブいなべはにぎわいの森を拠点にカジュアル、オシャレ、カワイイをキーワードにSDGsの目線で地域資源をカジュアルに活用して、都会の人たちを魅了するまちづくりを行う。にぎわいの森オープン後は観光客が倍増。取組に共鳴したプレーヤーが移住し、カジュアルな店舗をオープンさせるなど、新たなムーブメントが起きている。