壁には「あなたは何に進化する?」の文字。着なくなった思い入れのある服を譲り受けてコーディネートを楽しんだり、卓球のラケットを作ったり…。イヌ科やネコ科に分かれる前の太古の生物「ミアキス」という名の活動拠点で、中高生が思い思いの時間を過ごし、多彩なイベントが繰り広げられる。
市の委託を受け起業家やデザイナー、桃農家など若いスタッフが、家庭でも学校でもない第三の居場所を運営する。何かを押し付けるのではなく、相談に乗りながら夢の実現を応援し、多様な選択肢を示す。職場体験などを通じて、地元への愛着を育んでもらう。
開設から5年で登録者は市内の中高生の約1700人に。高校生の頃に通った人は、海外留学を経てスタッフに加わった。東京の大学に進学後に地元の活性化に取り組む団体を立ち上げた人もいて、種は芽吹き始めている。
市外に出た人に韮崎の魅力を発信するウェブマガジンも続ける。コワーキングスペース整備など街づくりの新事業も進め、活動の幅は広がる。