九州本土最南端の町で1972年設立の社会福祉法人が運営する「農福連携」のパイオニア。40ヘクタールの敷地で障害者ら約100人が支え合い、汗を流す。過去に非行に走った人やシングルマザーなど、生きづらさや働きづらさを抱える人も受け入れてきた。
耕作放棄地も活用し茶やニンニク栽培、野菜のハウス栽培、水稲、養豚などを広く手がけ、大規模な企業的経営に挑む。食品の安全性や環境、人権への配慮は国内外で認められた。ハム・ソーセージ、パンなどの加工、レストランや販売まで担う「6次産業化」を進めている。
施設の利用者は共同生活をし、仕事に応じて賃金を得ている。一般就労につながった人もいるなど自立を後押しする。鹿児島市内にも通所事業所などを設け、ものづくりと販売で社会とつながる。
仕事をつくるだけでなく、早くからグリーンツーリズムや収穫体験、農家民泊にも取り組み、直売所やレストランは地域の交流拠点となっている。今後は観光分野にも力を入れていく。